現代アート、超入門!
著者:藤田 令伊 出版社:集英社新書 発売日:2009/3/22 ページ数:216ページ
現代アートとは、20世紀以降に出てきたアートのことで、19世紀までは美しいものが高く評価されており、理解しづらいものは全く評価の対象とされなかった。20世紀に入っても、そういった考えに固執する人もいる中、世界は急速に発展し、技術や都市に関係の深いアートが生まれ、多角的、多彩、内面性、枠にとらわれない考えが徐々に増えていき共感を持つようになる。
今まで美しく、よりリアルに描かれていた絵画も、時代とともにありえない色を使い、曲線美は四角く多角的視点で表されたり、絵を見ても何が描かれているのか全く分からないもの、ただ物を置いただけのものなど様々なアートがピカソやマティス、カンディンスキーといった作者によって作られてきた。その多彩なアートに対する価値は、その時代背景に影響されており、その時その場所でそれぞれの作者が感じ、考え、時には反感を買い、訴えてきた。
本書では、専門用語が少なく、初心者にも分かりやすく説明されており、
・知識がなくとも感性で見たらよい。
・上手、下手に捉われず見たらよい。
・アートを見ても、その意図が分かるような分からないようなものを鑑賞することで自己の限界が高められ、深めていける。
・別にアートが分からなければならないということではない。
などなど、初心者に対し気軽にでも現代アートへ入っていけるような心配りが書いてあり、気難しさや、恥ずかしさなどなく背中を押してくれる1冊である。