方舟

著者:夕木 春央  出版社:講談社文庫  発売日:2022/9/8  ページ数:304ページ

 舞台は山にある別荘地から始まる。7人の同窓生で集まり、別荘で泊まる。そこから、1人が山中に驚くような地下建築があると皆を誘う。途中、道に迷いながら、やっとたどり着いた頃には夕方近くなっており、引き返すわけにもいかず地下建築で1泊することになる。地下建築の中は、工具や拷問器具があり、宗教過激派などが使っていたかのような異様な雰囲気に怯えながら1夜を過ごす。

 そんな中、道に迷った親子3人も地下建築で1泊することとなる。

 みんなが寝静まった時、突如地震が起こり、入り口が大きな岩でふさがれ、脱出が困難となってしまう。そんな中、殺人が起こる。

 唯一の脱出方法は、1人が犠牲にならないといけない。その犠牲を殺人犯に押し付けるのか。人の道徳や倫理観が垣間見えながら、最後の最後まで息をのむ展開に衝撃と恐怖を感じる1冊。