ラウリ・クースクを探して
著者:宮内 悠介 出版:朝日新聞出版 発売日:2023/8/21 ページ数:244ページ
舞台はソビエト連邦から独立しようとするエストニア、ラトヴィア、リストニアである。
主人公ラウリは毎日数字を数えることが日課であり、声をかけない限り永遠に止まらない。ある日、父がパソコンを持ち帰り、ラウリはパソコンでゲームを作ることに夢中になる。
ロシア人であるイヴァンとゲーム作成を通じて友達となる。ゲーム上で表現するための絵を描いてくれるカーチャも友達となり、3人で集まってゲームを作成していくことが増えていく。その後、独立宣言が起こり、ラウリ、イヴァン、カーチャは交流する機会が徐々に減っていき、イヴァンはロシアへ帰り、離れ離れとなってしまう。その間にもカーチャに悲劇が起こり、下半身不随となり、その原因がラウリにあると本人が強く感じ、パソコンへの熱も次第に無くなってしまう。
それから、時が過ぎ皆が大人になるころ、ある1人の記者がラウリを探すため、今まで関係のあった人たちと巡り合いながらストーリーが展開されていく。
その時の時代背景により生まれ故郷が違ったり、環境や親の考えにも影響されながらも、3人は出会い唯一無二の友達となる。離れ離れになってもお互いが思い合い、決して他人を責めず、友情が紡ぎだす感動的な小説でした。